前回の、アスパラガスの伏せ込み(畑の準備編)で、ハウスに伏せ込むアスパラガスの根株の準備が整いました。
いよいよ後は、ハウス内の温床を作り、株を伏せ込むだけになりました。
今回は、アスパラガスを伏せ込む温床づくりなど伏せ込むまでの作業を紹介します。
伏せ込み栽培のおさらい
アスパラガスの苗を5月頃畑に定植します。
その後、11月頃に根株を掘り上げます。
そして、ハウス内の電熱線が入った苗床に根株を伏せ込みます。
あとは、地温を17~20度することで、アスパラガスが萌芽しやすい5月頃の環境と勘違いして、萌芽するという方法です。
これによって、国内産のアスパラガスの端境期(12月~1月頃)に高値で出荷できるということです。
株準備(押切器を使った株切り)
事前に根株を掘り上げる前に、畑で茎葉を刈ります。
しかし、定植するときにはさらに残ったアスパラガスの根株から伸びている茎を切断します。
これは、養分が余分に消費されないようにするためです。
今回は、押切器という農業用具を使い切りました。
包丁が木の板についたようなものです。
用途としては、野菜の根切り、ワラ切り、花卉の茎切りなどがあるそうです。
参考:押切器 通販モノタロウ
温床作成
パイプ準備
私が働いている研修先のハウスが、10月の台風19号の被害でつぶれてしまいました。
ハウスを解体し、曲がってしまったパイプを今回の温床の材料に有効活用しました。
切断機?で鉄パイプを切っている様子です。
初めてやらせてもらいました。火花が飛んでいて正直怖かったです。
苗床穴掘り
バックホーが上手い方に幅100㎝、深さ20㎝に穴を2つ掘ってもらいました。
1ハウス2ベット(温床)になります。
パイプ打ち込み、スタイロフォーム設置
切断機で切ったパイプを地面に打ち込んでいきます。
スタイロフォームというものを使用し温床を作成しました。
スタイロフォームとは、ポリスチレン樹脂を主原料とする発泡体の断熱材で、鉄筋コンクリート構造の打ち込みや外張り断熱工法に適している。 熱を伝えにくい特長をもっているので、温度を一定に保ち、冷暖房のエネルギー消費を抑える効果がある。
SUUMO(スーモ)住宅用語大辞典
つまり、電熱線を入れて加温するにあたり、温度を逃がさなくて良い資材だということです。
また、強度が少し弱いですが軽くて扱いやすい資材だと思いました。
電熱線設置
電熱線を最初に土の上に置いて、その上にもみ殻をひきます。
後で、電気が上手く入ってなかったなどとなると大変なので最初にちゃんと暖かくなるのか確認します。
温度が上がると自動で切れる設定になっています。
根株の伏せ込み
アスパラガスの根株です。
黄色い丸をしているところが、新しい芽です。
太い根っこに生えている短いヒョロヒョロしたひげみたいなものは「吸収根」という、水を吸収する機能をもつ根です。
いよいよ伏せ込みます。
株の本数に余裕があったら大きい株を選んで伏せ込みます。
1列ずつ、なるべく隙間がないように、少し斜めにしながら並べていきます。
芽が上になるようにと、横の高さがそろうように気を付けます。
並べ終わったら、株がずれないように根っこの下の方に土をかけます。
そのあとに、株の肩あたりに土をかけて、この作業が何列が出来たら最後に上にも土をかけます。
交代で私もやりました。
株をなるべくきれいに詰めて、できるだけたくさんの株が入るように頑張りました。
1㎏以上の大きい根株でも1列7~8株ぐらい入ります。
土は、バックホーで穴を掘ったときに出てきた土をかけます。
土をかけすぎると入る株が減りますが、逆に少ないと吸収根から水を吸うことが出来ません。
そのため、アスパラの根(特に吸収根)が土に触れる最低限の量の土はかけないといけません。
伏せ込んだ後に、さらに上から土をかけ、水をかけ土をかけ、を繰り返して、最後にもみ殻を引いて終了です。
伏せ込みが完了しました。
あとは、気温を上げるためにトンネルをして、加温をするのみです。
加温もすぐにすると、アスパラガスが温度がいきなり上がってびっくりするので、 伏せ込み終わって3日間環境に慣らして、加温を開始し最初は17℃で加温します。
17℃で3日加温した後に、ようやく20℃に温度を上げて本格的な加温となります。
さて、これからアスパラガスが無事出てくるのか楽しみです!
まとめ
以上、アスパラガスの伏せ込み栽培(伏せ込み編)でした。
ハウスに伏せ込む際のベット作りは少し大変でしたが、これで上手くできたら冬にアスパラガスを作ることが可能になります。
今後、どのように成長するのかまた報告していきます!
初めまして。
アスパラの専用ホーラーを買うか悩んでいて、ネットで検索していて記事を拝見しました。
すごいなー。
私も農業女子で、去年ひとりで開業済みですが、大きな農家さんで働いたことがありません💦
記事、勉強になりました。
ありがとうございました。
>>うい農園様
初めまして。コメントありがとうございます!
1人ですでに始められているとのことで、私よりすごいと思います。
少しでも参考になれば嬉しい限りです。
うい農園様は私よりも先輩ですが、同じ農業女子としてお互い頑張りましょう!