北海道帯広市に来て、せっかくなので観光しようと調べていると、
近くに「ビート資料館」というものがあったので行ってみました。
何気なく行ってみたのですが、期待を大きく上回ったので今回紹介します。
まず、ビートについて
ビートとは、甜菜や別名砂糖大根ともいわれている作物です。
サトウキビとともに砂糖の原料となります。
見た目はカブのような形をしています。「ヒユ科」に属しており、ホウレンソウの仲間です。
寒冷な気候を好むことから、日本では北海道でしか作られていません。
北海道において、豆類、ばれいしょ(じゃがいも)、小麦とともに「輪作作物」の一つになっています。
去年、ビートの作業をしたので興味がありました。
こんなに少し乱暴に扱う作物がどのように砂糖になるのか。
去年のビートの収穫については、北海道生産100%!初めてのビートの収穫を見てみて下さい。
ビート資料館について
日本で1つの、甜菜(ビート)の栽培と、ビート糖業の歴史をテーマとした資料館です。
日本甜菜製糖株式会社が旧帯広製糖所の跡地の一角に建てた2階建ての資料館です。
入場料は、一般の人は300円です。
パネルやビデオによって、ビート糖事業が開始されるまでを解説しています。
入口の前にビートが植わっていました。
展示内容
まず、受付でどのくらいの見学時間か聞かれます。
その時間によって見学のコースが変わります。館長のおじさまが丁寧に説明してくれました。
私は、1人で言ったのですが1人に対しても30分事細かに説明してくださりました。
内容を紹介すると楽しみがなくなってしまうかもしれませんが、
遠くて行けない人のためにほんの少しだけ紹介します。
昔は、このようにビートを運んでいました。馬です。
そのため、運ぶ時間がかかり、原料がないため工場の稼働が止まっていることもありました。
そういったことによって、なかなか上手くいかず事業を撤退した製糖会社もありました。
そこで、ここ日本甜菜製糖株式会社は考え鉄道による輸送を行いました。
私鉄を走らせ、ビートを運ぶことにしました。
それが、今の十勝鉄道株式会社です。費用を自分たちで出して、鉄道を走らせたのはすごいと思いました。
さらに、一般の人が学校や会社に行くのに乗せて欲しいという要望から、一般の人も乗せるようなりました。
それによって、鉄道が止まる駅周辺は郵便局や店が出来たりと栄えていったそうです。
つまり、この鉄道のおかげでこの地域の発展にも影響したということです。
ビートを植えるニッテンペーパーポットです。紙筒移植。
一見、薄い紙ですが広げると…
このようなハチの巣みたいなハニカム構造になります。
これも、日本甜菜製糖株式会社が開発して商標登録したものです。
砂糖会社が、鉄道も植える道具もつくったのはすごいと思いました。
参考:ニッテンペーパーポット
ビート
先ほどの、ペーパーポットの中での生長の様子
これは、ビートの搾りカスです。ペレット状にして動物のえさになります。
砂糖の甘い香りがするので動物たちも喜んで食べるそうです。
確かに、ほのかな香りがしました。
まさに余すことなく使われるということです。
とにかく、口を酸っぱくして仰ってたのは「白砂糖は漂白なんてしていない」ということでした。
砂糖は本来は無色透明の結晶です。
ただし、白く見えるのは光の乱反射のためで、雪が白く見えるのと同じです。
三温糖のような茶色の色は、糖液を再び煮詰めて結晶を取り出す加熱が続くことで茶色い色が付いていきます。
だから、食べすぎたら体に良くはありませんが、漂白剤のような身体に害を及ぼすものは入れてないと言っていました。
参考:独立行政法人 農畜産業振興機関 白い砂糖の真実、そして三温糖との関係
北海道には、3つの製糖会社がありビートの生産場所によってどの製糖工場に持っていくか違うそうです。
それぞれ仲間割れしないよう、また捌ける処理能力も異なるのでしっかり取り決めがされているそうです。
おまけ
受付でスティックタイプのシュガーをもらいました。
説明を受けてから改めてみると見方も変わると思います。
まとめ
以上、ビート資料館についてでした。
ビートを見たことや作ったことのある人だけではなく、一般の人も普段使っている砂糖がどのように出来ているか知ることが出来るのでおもしろいと思います。
新しいことを知り勉強になりました。
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