9月に入り、気温が高い日もあるものの朝方や夜は気温が下がり、だいぶ過ごしやすくなりました。
仕事も涼しい方がやりやすいので良かったです。
4月からブロッコリーを育てて5カ月が経ちました。
同じブロッコリーを育てても、時期や栽培管理によってブロッコリーの出来が異なります。
前回植えたブロッコリーはきれいな正品が取れたけど、今度のブロッコリーはあまり出来が良くないということも多々あります。
今回は、ブロッコリーに起こりえる生理障害について紹介します。
まず、生理障害とは
作物は、病気や害虫による被害のほかに、栄養分の過不足や温度、降水量などの天候による生育環境が原因で「植物体に生理的・形態的異常が生じる」ことです。
主な症状は、葉が変色・萎縮したり枯れたり、成長が鈍化します。
ブロッコリーの場合は、主に花蕾に異常が生じます。
その症状が生理障害によるものなのか病気によるものなのか、見極めは難しいです。
また、天候不順による生理障害への対処は難しいですが、 必要な肥料成分を過不足無く調整することである程度は対処することが可能です。
ブロッコリーの主な生理障害
以下のサイトを参考にまとめてみました。一部引用させていただいています。
- タキイ種苗さん http://www.takii.co.jp/tsk/bugs/abr/seiri/
- 朝日工業(株)さん http://www.asahi-kg.co.jp/cms/asahi/pdf/agriculture/seed/broccoli_byoki2019.pdf
- 檜山農業改良普及センターさん http://www.hiyama.pref.hokkaido.lg.jp/ss/nkc/gijyutu/burokkori.pdf
- 長野県花き試験場さん https://www.pref.nagano.lg.jp/nogyokankei/letter/documents/ntk458_veg1.pdf
ボトニング


症状
小花蕾や早期出蕾などともいわれる。
低温や肥料切れ、活着不良などのために、花蕾肥大に必要な葉数を確保する前に花芽分化し、結果的に小花蕾となる。
原因
幼苗期を過ぎて、まだ花蕾の発育に必要な葉数が分化しないうちに低温に遭遇すると早期に花芽分化を起こすが、
この株が低温や肥料不足、湿害などによって栄養生長を阻害されると発生する。
対策
育苗期の低温を避ける。最低10℃、最高25℃ぐらいが望ましい。
本圃でも低温を避けるため、無理な作付け体系は避ける。
肥料切れを避け、出蕾まで十分大きな株を作る。
キャッツアイ

症状
花蕾粒の不揃い。小花蕾の中央のつぼみが少なく猫の目状となる。
原因
春まきで育苗温度に留意する。
対策
ボトニングと関連が強い。
花蕾に十分な数の花芽ができないため、中央部に緑色のつぼみの間から黄緑色の花蕾の基部がのぞき、そのため宝石のキャッツアイのように見る。
不整形花蕾
花蕾がぼこぼこになっている。 正常だとこのようにきれいな丸みを帯びている。
症状
花蕾面のつぼみの発育が揃わず、凸凹した花蕾となる。着色も不均一になる。
原因
高温で生長が早すぎる場合、それぞれの花房の生長のつりあいが取れなくなり、発生すると考えられる。
対策
排水対策を行い、圃場を適湿に保つ。
定植時の活着不良を避け、老化苗、大苗定植を避ける。
ブラウンビーズ
症状
花蕾肥大期にストレスを受け、つぼみが枯死し、褐変する。
原因
高温・乾燥や強日照などのストレスにより発生すると考えられている。
対策
乾燥に注意。適期収穫に努める。
リーフィー
花蕾の間から葉っぱが出ている 出荷の際、目立たないようするため手でちぎる
症状
さし葉や葉挿しともいわれる。花蕾の中に小葉片が発生する。
出荷する際には、手で葉っぱをちぎらないといけない。
あまりにも目立つ場合は、商品価値が下がる。
原因
花芽分化時に低温感応が不十分だったり、花芽分化後に高温に遭遇し、生殖生長のあとに栄養生長が助長されて、花蕾の中で小葉片が発育して起こるといわれている。
また、チッソ過多によっても助長される。
対策
花蕾肥大期の肥効を抑制する。
発生には品種間差があり、発生の少ない品種を選ぶ。
花茎空洞症
症状
花茎の中が空洞化する。その際、水浸状や褐変が伴うこともある。
原因
発生の少ない品種を選び、適期収穫に努める。
花蕾生育期の過剰な窒素施肥を避ける。
圃場の排水性の改善も行う。
ブラインド
一見、普通に見えるが近くで見ると… 生長点がなくなっている。
症状
生長点が座止した現象。
原因
植物が極めて、高温か低温に遭遇した時発生する。
展開葉数が7枚ぐらいになった苗を0℃に2週間遭遇させたり、
低温要求程度の多い中生種を25℃以上に遭遇させたりすることで発生する。
ブラインドになった植物はもう葉を分化できず、茎頂が切り株みたいに裸出して生長点がなくなったり、針状の葉を分化させ分裂活性を失う。
対策
品種を選んで植える。
茎表面の褐変(茎のかさぶた)
かさぶたみたいになっている。
症状
ブロッコリーの茎がかさぶた状に木化する。
原因
ホウ素欠乏による症例で近年発症が多い。
同じホウ素欠乏症でも茎内部から花蔀部に達する空洞が発生する事もある。(花茎空洞症)
一般的に土壌のホウ素欠乏で発症するが、ホウ素が十分あっても土壌pHが高い場合や、乾燥でホウ素が吸収できないために発症することもある。
また、排水不良による根痛みも原因の1つである。
対策
ホウ素含有率の低い圃場にブロッコリーを栽培するには生育初期から収穫期までホウ素を施用する。
また、圃場の排水性の改善も必要である。
アントシアニン

症状
花蕾が紫色の着色。
原因
ブロッコリーが寒さに連続して遭遇すると発生する。
また、生育が悪い場合も葉が紫色に変色する。
紫色の正体はポリフェノールの一種のアントシアニンです。
アントシアニンは、冬の寒さから身を守るために植物が作り出しているもので、食べてもまったく問題はありません。
また、寒さに当たった分、むしろ甘みが増します。
ただし、アントシアニンは水溶性なので、ゆでると色が抜けて緑色に戻ります。
しかし、緑色よりも栄養面は良いモノの、見た目が良くないということで値段が下がってしまいます。
対策
品種間に差があるので、アントシアニンが出にくい品種を使う。
または、中耕なにより圃場の排水性を改善する。
まとめ
以上、ブロッコリーの生理障害、異常花蕾等についてでした。
何かブロッコリーが正常ではないと思ったら、それはブロッコリーの生育環境が良くないということなので、それぞれの症状に対して適切な対策をしてみてください。
また、今回紹介しきれていない症状もあると思いますので、もしありましたら教えていただけると有難いです。
あと、最後の方に紹介しましたが花蕾が紫色のブロッコリーはアントシアニンが多く普通の緑色のモノより若干甘くなっています。
ですので、紫だからおかしいとか思わず、売り場にあったらぜひ「紫色っぽい」ブロッコリーを選んでみてください!
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