トウが立っている(ねぎぼうず)ということで、こんなにたくさんの玉ねぎが捨てられます。
とう立ちが防げれば、破棄を防げる分収入にもなります。
以前、とう立ちについて記事にしてみましたが、想像以上に見てくれている人がいるのでさらに詳しく調べてみました。
以前の記事は こちら から
とう立ちとは?
植物は温度や日長など、ある一定の条件が揃うと、生長点(茎頂分裂組織)に花芽ができ(花芽分化)、その後、花芽が発育してトウ立ちし、開花へと進みます。この花芽分化が栄養生長から生殖生長への転換点となります。
いったん生長点に花芽が形成されると、新たな葉ができなくなります。
引用:タキイネット通販
つまり、栄養成長の時は大きく大きくなろうと成長していたものが、生殖成長へと変わると、花を咲かせ種を作ろうとします。子孫を残そうとします。
成長がストップしたキャベツは結球しなかったり、ホウレン草は葉が硬くなってしまったりします。
とう立ちの原因
①温度
1-1.高温
高温に一定期間おかれると花芽分化する。レタスが代表的。
1-2.低温
低温に一定の期間おかれると花芽分化する。このことをを春化(バーナリゼーション)という。
春化が起こるタイミングの違いでも分かれます。
<種子春化型>・・・ダイコンやハクサイ
タネが吸水し、芽が動き出した段階から低温に感応する。
タネをまく時から低温にあわせないことが重要です。
<緑植物春化型>・・・キャベツ、カリフラワー、タマネギ、ニンジン
生育が進み、一定の大きさになってから低温に感応する。
小さな株の状態で越冬させて、気温が高まる春に大きく育つことにより、トウ立ちを防ぐことができます。
タマネギの場合、苗の直径が8mm以上になり、それから低温に一定期間あってしまうと花芽分化するらしいです。
春化(とう立ち)を防ぐ方法
日中に温度を上昇させることで、低温を打ち消すことが出来る。(「脱春化」といいます。)
トンネル栽培の場合、保温による夜間の低温の緩和と、昼間の温度上昇による脱春化を組みあわせでトウ立ちを防ぐ効果がある。
引用:タキイネット通販
②日長
2-1.長日植物
暗期の長さが一定の時間より短いとおこる。ホウレンソウ、ニラなどがある。
暗期の長さがある一定の時間(限界暗期)より短くなるような光周条件下で、花芽の形成がおこるか、あるいはそれが促進される植物をいう。
暗期の長さが十分に短ければ、明期の長さは関係がない。長い暗期の場合、光中断を行うと花芽形成がみられる。
2-2.短日植物
暗記の長さが一定の時間より長いとおこる。シソ、サツマイモなど。
暗期の長さが、ある一定の時間(限界暗期)より長くなるような光周条件下で、花芽の形成がおこるか、あるいはそれが促進される植物をいう。
明期より暗期の時間が長いというだけでは効果はなく、一定以上の連続した暗期が必要である。
したがって、暗期が十分長くても、途中で光中断を行うと無効である。
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
とう立ちを防ぐ方法
日長の影響を利用して、白熱灯などを夜間に点灯して短日植物のトウ立ちを抑える栽培法もあります。
一方、夜間の街灯の光が影響してホウレンソウなどの長日植物がトウ立ちすることもあります。
③栄養
中性植物で、成長が進み、体内の窒素と炭素の比率(C/N)比が高くなってくると、温度や日長に関係なく花芽分化する。
トマト、ナス、ピーマンなど。
とう立ちを防ぐ方法
上記のとう立ちの原因をみると分かるように、野菜によってとう立ちの原因が異なるので、
それに伴って防ぐ方法も異なります。
出来たら植える前に野菜ごとに調べて対策してから育ててみて下さい。
それだけでとう立ち(花芽分化)を防ぐことが出来ます。
とう立ちを解体してみた
今年は北海道で低温が続いたりしていたので、畑にとう立ちの玉ねぎが多かったです。
トウがたってしまうと商品価値がなくなってしまうので、抜いて捨ててしまいます。
とう立ちが多すぎて収穫が大変ということで、1日中とう立ちだけを抜く日もありました。
トラクターの上にのっているモノはすべてとう立ちです。
すぐにトラクターのバケットがいっぱいになってしまいました。もったいないです。
持ち帰って解体してみました。
玉ねぎのとう立ちです。掃除機と比べてもこの大きさ。
長くて立派な花を咲かせています。
半分に切るとこんな感じになっています。
左が普通の玉ねぎで、右がとう立ちしたものです。
上から見ても違いがよく分かります。
しかし、選果の時もとう立ちを見つけたら捨てないといけないのですが、瞬時に見分けるのは少し難しいです。
半分に切って比べてみるとこんな感じに違います。
トウの部分さえ取ってしまえば、普通の玉ねぎなので食べるkとが出来ます。
ちゃんとおいしくいただきました!
まとめ
以上、とう立ちについてでした。
前回より、さらに詳しく調べたので自分自身の理解が深まり良かったです。
ぜひ、植える前に何がとう立ちの原因か調べてから植えてみて下さい。
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